国際関係研究, Volume 14日本大学国際関係学部国際関係研究所, 1993 - International economic relations |
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... 清朝の存立基盤としての伝統的価値体系を保守しつつ,主に技術面での西欧文明の摂取を図ろうとしたものであり,他面においてこれは,清朝の体制内部に共存する守旧派と洋務派との妥協ないし折衷を象徴するものでもあった。洋務運動はまた,軍事工業促進のため ...
... 清朝の存立基盤としての伝統的価値体系を保守しつつ,主に技術面での西欧文明の摂取を図ろうとしたものであり,他面においてこれは,清朝の体制内部に共存する守旧派と洋務派との妥協ないし折衷を象徴するものでもあった。洋務運動はまた,軍事工業促進のため ...
Page 162
... 清朝の「自強」を主眼に置いた官制的な限界をもつものであり,中国社会一般を包括した近代化政策に発展し得るものではなかった。かくて「洋務」を通じて提起された近代化というビジョンは,清朝という封建的な統治体制に,まさに木に竹を継ぐ形で採り入れ ...
... 清朝の「自強」を主眼に置いた官制的な限界をもつものであり,中国社会一般を包括した近代化政策に発展し得るものではなかった。かくて「洋務」を通じて提起された近代化というビジョンは,清朝という封建的な統治体制に,まさに木に竹を継ぐ形で採り入れ ...
Page 163
... 清朝の国家財政の一部を以て充てられたが, 1870 年代に入ると,資本不足を補填するための民間資本の吸収が企図されるようになり,「官督商弁」方式による一般的諸産業の育式が図られるに至った。これらの諸産業は,「創業にあたって多額の国家資法が貸与され ...
... 清朝の国家財政の一部を以て充てられたが, 1870 年代に入ると,資本不足を補填するための民間資本の吸収が企図されるようになり,「官督商弁」方式による一般的諸産業の育式が図られるに至った。これらの諸産業は,「創業にあたって多額の国家資法が貸与され ...